「商品は充実している、サイトも見やすい、知名度もある、なのにユーザビリティが全然ダメなサイト」
にインターネットで出会った経験はありませんか?
先日、某大手通販会社のサイトで母の日のプレゼントを買った時に、改めて「ウェブユーザビリティの法則」を痛感しました。
私は通販サイトを構築する時、お客様との打ち合わせで特に時間を割く内容があります。それは、「いかに買い物をしやすくするか?」についてです。
理由は、通販サイトで陥りやすい 「ネットでの買い物を現実の店舗のように考えがち」になるためです。
誤解を与えないようにお断りしておきますが、通販サイトも現実の店舗も「お店作りのスタンス」は同じだ、と私は考えています。ただ通販サイトには、「サイトを見て買い物しているお客さんに、その場で声をかけることができない」という、現実の店舗とは違う点があるということです。
この某大手通販会社のサイトは、まさしく「紙媒体通販と同じようにネット販売をしている」という例でした。
今回、母の日のプレゼントに花を選んだのですが、なぜ息子娘夫婦が両方の母にプレゼンをすると想定していなのだろうか?と思いました。
なぜなら、「Aという商品を、両方の母に贈るための入力欄」がなかったからです。つまり同じ商品を2回、同じ手順で繰り返し入力しないといけないわけです。
Webサイト構築に携わっている仕事柄、買い物システムがどういうプログラムで動作しているかは推測できます。だから今回のようなロジックを組み込もうとするとシステムがより複雑になることも理解できます。しかし、それなら「お買い物の流れ」などで説明してあってもよかったのではないかと思いました。
一事が万事この調子なのだろうかと思いサイトを見ると、ユーザ側の「不安」を取り除いてくれるような説明が、ないことに気づきます。詳しく書くと非難中傷しているようになりますので割愛しますが、まだまだこのようなサイトがあるのだなぁと改めて “買い物する側の思考と操作を熟考していない” ことを痛感しました。
ヒットしている通販サイトは、マーケティング活動が非常に上手であったり、アナログ的であったりと様々な成功要因が含まれています。そして共通している成功要因は、 “買い物する側の思考と操作に優しいサイト” を構築していることです。
システムとして買い物かごができあがっていることを決して意味するのでありません。極端な例で言えば、しっかりとした応対ができれば、「買い物かごを押すと、あとでメールします。またはFAXで注文してもらってもOKです」でもいいわけです。
みなさんの通販サイトも、
- 「買い物する側に不安を与えていないか?」
- 「買い物する側の操作を十分に検証しているか?」
- 「売る側が当たり前に思っていることでも実は当たり前でないことはないか?」
など今一度考えてみてはいかがでしょうか?