—–「あっ、ちょっと待って」って言ったきりどこへ行ったの?
「ごめん、ごめん。なんか言葉にならないことを書くのに気が引けたから隠れてた」
—–続きだね。"書きたいことがありすぎてない"ってどういう意味?
「うん。過去ログをたまに読んだりしているんだよね」
—–質問の答えになってないよ
「まぁ、聞いて。そうすると気づくんだよ」
—–気づく?たとえば?
「ああ、この時期は悩んでいたなぁ。試行錯誤しているな。文体に四苦八苦しているな。文章の構成が下手。表現が稚拙。何か試そうとしているな」
—–何で現在形なの?過去のことなのに
「あっ、それ気づかなかった。確かに私の思考を文体にしたとき、"現在形"で表現しているときがあるな。だからあとで読み返すと違和感があるんだな。まぁ、いいや、これについてもう少し観察してみる」
—–わかった。前から気になっていたから指摘したけど、またなにかわかったら教えて。で、もっとある?
「うん。今回なら質問している方の人をどちらかというと女性を意識しているのかなぁと思ったり。むかしなら、"ひょっとして読んでくれているのかな〜"と期待してメッセージを仕込んだり」
—–どれも"型"ばっかりだよね?
「いやそうでもない。今ならそんなふうに考えないことを再考してみたり。どうしてそう考えたのか考察したりするよ」
—–そうなんだ。そんなことして何になるの?
「やば、それを聞かれた答えられない。まぁ、でも自己省察していると自分の"程度の低さ"がわかってくると。ほんと、頭悪いなぁって自嘲するけどね」
—–どうしてそんな風に感じるの?
「ブログに限って言えば、過去ログを読んでいて気がついたんだけど、"感想"だよなぁって突っコンでしまった」
—–感想って?
「何て書いたらいいのかなぁ。今までのひとつひとつのエントリーが該当する事象にしかあてはめられない固有の見解っていうのかな」
—–わからない
「やっぱり…..。例えばね、藪本雅子さんのブログが炎上していたり、橋本弁護士が今回の件で怒っていたり、秋田の事件について、書きたいことって色々ある。他にも"国営のお見合い"やら"校長先生が内緒で栄養失調のこどもたちに牛乳をあげていた"こととかね」
—–それがどうしたの?
「そうなんだ。ほんと、So what?なんだよ。どれについても書き始めるんだけど、どうにも"感想"に終始してしまう。だから、キーボードを叩くのを止めて"それがどうした?"って自問してみると、詰まってしまう。次に思考が展開できないんだ」
—–次に思考が展開しないってどういう意味?
「水平思考っていうのかな」
—–そこを詳しく
「仮に藪本さんの炎上について書いたとすると、その内容が他の事象でも使えるものであって欲しいんだよね」
—–そんなことできる?
「できると思う。だから率直にいうと、"感想"とは違う"別の視座"に立ちたいと感じている」
—–"別の視座"がよくわからない
「だからわからないって言っただろ。えっと、普遍的なんて大仰なことを考えているわけじゃないんだ。それとは違って、ぶっちゃけ、今の自分よりもうひとつ高い目線で自分を視たい」
—–バカ?何を言っているかさっぱり。変わった考えを持ちたいってこと?
「あ〜あ、言っちゃたよ。違う」
—–マイノリティにあこがれてるの?
「違うよ。マジョリティーとかマイノリティーはどうでもいい。二項対立は時と場合でしか興味がナイ。マイノリティーをめざして"立ち居振る舞い"しているわけじゃないから。結果的にそうなっているのなら受け止めるけど。それも他者が評価することだろうし。そんなことに気を止めて仕方がない。自分でコントロールできないからね」
—–じゃ、何?
「う〜ん、なんていうのかな〜。"考える"って何かなぁって感じのとば口かな。え〜っと、あっ、ちょっと待って」
—–また…..