年: 2007年

  • マナーに中指を突き立てる

    携帯、ヘッドホンは禁止 自転車の運転で新ルール

    自転車運転のルールづくりを進めていた警察庁の有識者懇談会(座長・吉田章筑波大教授)は27日、走行中の携帯電話、ヘッドホンステレオの使用禁止、保護者が幼児を乗せる際はヘルメット着用を義務付けることなどを盛り込んだ報告書をまとめた。[…]運転中に禁止、注意すべき事項として、携帯電話やヘッドホンステレオ使用のほか、歩道でむやみにベルを鳴らさないことや、雨天の場合は傘ではなく、雨がっぱを着用することなどを挙げた。

    膳所のスターバックスへ向かう道中、自転車に乗っていると見かける。携帯電話で話ながら運転したりヘッドホンを装着している人。正直、こわい。私が後ろから迫っていることに気づいていない。特に、携帯電話の人は突然ハンドルをフラっとさせるからなおのこと。だから賛成かと言えば複雑。

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  • [Review]: がんとどう向き合うか

    がんとどう向き合うか (岩波新書)

    先日、山本孝史参議院議員がご逝去された。胸腺がんに罹患した氏は、「がん対策基本法」の成立に尽力していらっしゃった。法律は今年4月に施行。参議院本会議では、「がん患者は身体的苦痛、経済的負担に苦しみながらも…..一日一日を大切に生きている」と訴えた。この訴えが与野党を超えて「がん戦略」に立ち向かわせた。

    これまで日本人はその昔の精神的な秩序ー生老病死の死生観ーに支えられてきたといわれるが、生あるものは必ず滅ぶという、その思想の上で人間は死ぬことによって意味のある存在である。しかし、めまぐるしい現代日本社会のテンポは非日常的な死の前に立ち止まることをしばしも許さず、私たちは日常的に死をみつめて生の意味を深める姿勢を放棄して久しいように思われる。現在、患者も医師も医療技術の進歩のみが病気を克服するかのような錯覚に蝕まれて、あたかも日常の中から死を完全に取り除き、無限の生を享楽するような考え方が日本社会を覆っているように思われてならない。

    『がんとどう向き合うか (岩波新書)』 額田 勲 P.219

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  • 使い回しでC型肝炎に感染

    器具使い回し肝炎 5人感染18人疑い 茅ケ崎市立病

    神奈川県にある茅ケ崎市立病院の循環器内科で心臓のカテーテル検査を受けた60〜70代の男性患者5人が、C型肝炎に感染していたことがわかった。25日、病院が記者会見して明らかにした。感染は昨年12月から今年4月にかけてで、血圧変動を監視する器具「トランスデューサー」を交換せずに使い回したことが原因とみられる。メーカーの取り扱い説明書には1回ごとに廃棄するよう記載してある。使い回した理由について担当の臨床工学技士は「手術が立て込んでいて忙しかったから」と説明しているという。他に感染の疑いがある患者が18人おり、病院は検査を受けるよう要請している。

    問題と課題と解決を切り分けて報道しないとさらなる不信をよびかねない。「使い捨て」を「使い回し」してC型肝炎に感染。

    • 昨今の病院経営の困窮から組織的な”暗黙”の了解 – 診療報酬制度の問題
    • ほんのわずかでも”暗黙”の了解が存在したなら道徳的危険 – 道義的・倫理的問題
    • 臨床工学技士の言い分どおりなら診療体制の危機 – 地域医療の問題
    • 医師が専門スタッフのどこまで管理するのか(個人の医師と病院の役割の峻別) – 危機管理の課題

    このあたりごったまぜにすると、「けしからん」の一点張りに(許し難い行為であることには間違いありません)。何の問題解決にもならず、不信と不安を増長させるマスコミの得意分野に引きづり込まれる。

    その後の処置や今後の補償、なによりも患者さんのQOLのケアは早急に対応しなくちゃいけない。

    でも、発生した人為的事故(あるいは暗黙のうえに成立した組織的事故)について、「何が問題なのか」は性急に結論を出すのはいかがかと思う。

    肝炎検査感染 「長年の慣れ」 器具交換の指示なし

    器具は一個約4600円。医療保険の対象ではなく、病院側が費用を負担する仕組みという。出費を抑えるための行為ではなかったのか——そんな疑問に、病院側は「次々と検査の患者が来るので、忙しくて交換しなかったと担当者が言っている」などと答えるにとどまった。

    まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生

    まちの病院がなくなる!?―地域医療の崩壊と再生

  • 分化

    今日はたしか敬愛する先生にとって「コトがある」日。記憶違いかもしれないけど。”分化”という。【分化】を調べてみると

    1. 均質のものが異質のものに分れること。また、その結果。
    2. 社会的事象が単純・同質なものから複雑・異質なものへ分岐発展すること。

    と書いてあった。うまく分岐発展すればと切に祈念。 「わかった」と満足する人と、「わからない」ともがき続ける人。両者が棲む世界は位相が違う。優劣可否を超越。ただ”それ”だけ。

    『演出家の仕事』で引用した。

    今世紀最高のピアニストの一人である、ロシアのスヴァトスラフ・リヒテルの半生を追った『リヒテル・謎(エニグマ)ー甦るロシアの巨人』と題されたドキュメンタリー映像(ブリュノ・モンサンジョン監督、1998年)があります。その冒頭で、その制作者であるブリュノ・モンサンジョンは語っています。

    「リヒテルは独自の世界を持ち、孤高のうちに光り輝いている。…..分析を嫌い、自己を語らず、世事や賞賛や富みに無関心。…..その心を占めているのは、障害を捧げた音楽のみ」と。[…]その映像の最後に、リヒテルのポツポツと呟くようなごく短いインタビューが収められています。

    「すべてがわずらわしい。音楽じゃなくて人生が…..自分が気に入らない。終わり」

    この完璧とも思える一芸術家の、「自分が気に入らない」という言葉に、芸術をどこまでも求めることの永遠性を思い、深く共鳴するのです。そして、何もかもまだ遠く届いていない今の自分を見つめ直し、演出の仕事にも到達点などないことを確認するのです。『演出家の仕事』 P.201

    私は「わかった」と言う人よりも「いまだ獲得できない言葉に苦悩する人」に魅了される。これもただ”それ”だけだ。

    そこに善悪是非の価値観や好悪の感情を挿入するとややこしい。いかなる理由があれど、自分を評価するのは自分自身ではない。自分は他者のなかに存在する。

    分化をこころざす先生へ、必要でしたらいつでも私を使ってやってください。

  • ヒラリー・クリントンの言葉から地球温暖化が見えてくる

    「地球温暖化は史上最大のビジネスチャンスなのです」

    エタノール推進法案を反対した彼女は、今やエタノールへと飛びつかんばかり。トウモロコシ農家は食料ではなくバイオエタノール燃料として出荷。「儲かるからだよ」と微笑。

  • 同じ仕事をしても賃金は減るよ

    中高年が労組結成 定年後の不安定雇用に団結して対抗へ

    この日加入したのは約20人。都内の印刷会社に勤める男性(59)は再雇用後の賃金は半分程度になる見込み。「同じ仕事を行うのに、賃金の大幅減はおかしい」と憤る。

    「現場」を知りませんから批判するのも卑怯でしょうけど承知の上で。同じ仕事を行うのに、賃金の大幅減はおかしいにしっくりこず。

    前提をかえれば、「新しく提示された賃金が(今までやってきた)同じ仕事の対価」だと考えないのだろうか。そう考える立場の人もいると。で、「対価」と書いた。まっ、「賃金」と「換算」しているわけで。すでにそこに断絶が。これ以上は野暮というもの。

    「団塊」キーワードの商売は健在。書籍は玉石混淆。で、けど、あれです、アレ。団塊が「団塊」を語ると共通項が露わ。主語は「私」の団塊。私たちの困窮や被害だけを訴えて、団塊が先代と後代に与えている影響をカウントせず。

    私は第一次ベビーブームから生まれた第二次ベビーブームの世代。父親に対峙すると、ひとりの親と団塊、プライベートとパブリックな空間。パラドックスが透かし見えてイヤ。父親へのリスペクトと団塊への蹂躙。

    そのパラドックスから学んだの3つ。

    1. 他責せず自責であろう
    2. 世代への責任転嫁を拒絶しよう
    3. 思考停止に震えよう

    このテキスト全体が自己言及の矛盾。それに苦悩する日々。

    団塊格差 (文春新書)

    団塊格差

    団塊漂流―団塊世代は逃げ切ったか (角川oneテーマ21)

    団塊漂流―団塊世代は逃げ切ったか

  • あなたの燃える手で

    「命の限りあなたを愛したい」

    なつかしいなぁ、このCM。はじめて視たとき心が震えた。でも、大人になった今なら「生命保険かよ」って興ざめするだろうな。感性を失いたくないもんだ。

  • 分をわきまえる

    天皇陛下の記者会見全文を読む。格差社会の問題について、興味深い御意を。自由競争とセーフティーネット。宮内庁の誰が記者会見の問答を書いたのかわからないけど、天皇陛下の役割を果たさせようという意気込みが感じられて好感を持った。

    もっとも琴線にふれた言葉。

    「心の中に人に対する差別感を持つことがないような教育が行われることが必要と思います」

    私は「平等」と受け取らない。むしろ「分をわきまえる」との物言い。やんわりとにこやかに厳しい一言。「我慢」が二の次になって、「依存」と「放恣」が主役に躍り出る。

    秋霜烈日と志操堅固。

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  • [Review]: 演出家の仕事

    演出家の仕事 (岩波新書)

    私は演劇を知らない(わざわざ自分の程度の低さを吐露するもどうかと思うけど)。数回観た程度。演出家がはたす役割を想像できない。なのに「演出」という言葉を時折使う。不思議だった。どうして演出の役割を知らずに「演出」を使うのか? 意味を理解せずに見た漢字の印象で使う、そんな言葉は他にも存外あったり。いけないな。

    どんな場面で「演出」を使うのか? たとえばミーティング。ミーティングがうまくいかないと誰かが嘆く。だから「うまくいっているミーティング」を見学したり、「やる気がでるミーティング」や「ミーティングのマネジメント」みたいなタイトルに目がいく。そんなときわたしは「演出」と口にする。ミーティングは演出。

    舞台での会話とは、自分のせりふをどう言うかではなく、まず相手役がどういう状況でそのせりふを話すか、その音、その意味を聞き取ったとき、そこから感情が起こり、身体が動き、それが次の自分の言葉を導き出すということなのです。つまり、言葉によっていかに他者を動かせるか、という一つひとつの積み重ねが、俳優にとってのせりふの働きなのです。言葉が動くとき、温度は上がります。その温度が積み上げられることによって、人間の対話は生きたものになるのです。

    『演出家の仕事 (岩波新書)』 栗山 民也 ;P.62

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  • Computer City

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