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  • 高い理由を書いてない

    失われた「売り上げ」を探せ!―商売繁盛の大冒険本日の「恵俊彰のディア・フレンズ」(TOKYO FM)に,小阪裕司氏がゲストとして登場されました.ワクワク系マーケティングの話をされるのか楽しみにしていたところ,やっぱりいくつかの話にウンウンと頷いてしまいました(笑)

    要約すると,「高い理由が書いてあるお店は少ない」ということです.ある魚屋の"秋刀魚"をたとえに説明していました.その魚屋さんでは,素人には同じ大きさに見える秋刀魚を,二つ並べていました.もちろんそれぞれ値段は違います.

    すると,なぜか高い秋刀魚が売れるのです.

    理由は単純なのですが,「同じ大きさに見える秋刀魚なのに,なぜ高いのか?」を,ご主人が丁寧に説明されるからだそうです.

    価格に目がいくお客さんは,「安い」というのは,理由があるから「安い」,放言すれば,「安い」から「安い」と納得します.場合によっては,自分で"理由をつくって"しまいます.
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  • ホスピタリティがいつのまにか広告に

    メープル日記: 日本人のホスピタリティ精神

    その心遣いにNさんはしばし茫然.売るところまでではなく,売った後もお客様のことを考えたこのホスピタリティ精神は日本だけだと思います.このようなサービスにも慣れてしまっている私は,改めて日本のホスピタリティ精神のレベルの高さを感じました.

    メープル日記さんが紹介されている「心づかい」をうけた方はいらっしゃるのではないでしょうか?わたくしも以前,まったく同じ心づかいに出会い感動しました.

    当たり前にしていることが広告宣伝にも[1]

    その気配りにとてもうれしく感じながら歩いていると,あるコトに気づきました.ビニールがフワッと広がるので,周りの方が「何か?」と見るのですね.歩いている時や電車で座っている時に,ジッと見ておられました.紙袋にはCLUB HARIEとだけシンプルに書いてあるだけです.それでも周りの方が,その文字をしっかりと読まれている雰囲気は伝わってきました.

    CLUB HARIEとだけ印字して,とてもクールでスタイリッシュな紙袋に目線がいく.すると,今ならネットにすぐにアクセスできます.大げさですが,ホスピタリティが勝手に"広告化"していくわけですね.大げさな表現ですけど(笑)
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  • お客さまのノーをフィードバックする

    以下,意味不明かもしれませんが,「ノーをフィードバックする」行程を自分がわかるようにだけ図式化してみました(笑)

    何かに参考にしていただければうれしいです.ちなみに,主語を置き換えてみるのもアリですね.

    ノーのフィードバック
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  • 確定申告書の所得と税金だけでなく#1

    1年間の業績が確定する今を利用して,”貸借対照表(B/S)””損益計算書(P/L)””キャッシュ・フロー計算書(CF)”からクリニックをのぞいてみませんか?「所得」と「税金」に目を奪われるかもしれませんが,そこをグッとこらえて,B/S・P/L・CFから物語をつくってみてはいかがでしょうか.

    会計事務所の先生に委任されているなら,確定申告期間をなにげなくすごされるかもしれません.確定申告を「税金の納付・還付」と位置づけておられるとそうなりがちです.そこで,今,お手元にある1-12月のB/S・P/L・CFをご覧になってみてください.『確定申告書の所得と税金だけでなく』の#1では,まず,P/Lの「売上(=医療収入)」をのぞいてみます.

    医療収入は,次の4つから構成されています(名称の差異はあります).

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  • ほぼ日手帳: 先輩をピピッとさせたテキスト

    「シンクセルくんのブログを見て,ロフトに買いに行ったわ」

    昨年,ほぼ日手帳が届いたってエントリーを書いたところ,以前お世話になっていた会社の先輩がご覧になっていて,一読して購入を即決されたそうです.

    2P and Double: 12月誕生日のトモにいかがだろうか?

    もともとどんな手帳を買おうか悩んでいたところに,わたしの文章が飛びこんできて背中を押したみたいですね(笑)

    手前みそですが,売り手でなく,

    1. 買い手の届いたときのライブ
    2. ウキウキした気持ち
    3. 直感な第一印象
    4. これから使う意気込み

    といったリズム感のある,キーボードを小気味よく叩く感じが伝わってきたそうです.また,このブログでもふれている,「"自分が使うなら"シーンを読み手がイメージできる」的な内容もお話されていました.

    こういった効果が,「口コミ的なブログの使い方」なのかもしれませんね(笑)
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  • 自らを値決めする

    自らを値決めする苦労を体得してこそ、価値創造へ真摯に向き合うのではないだろうか?

    「もし院長先生からインプラントの価格整合性について尋ねられたら、シンクセルさんはどう答えますか?」

    昨日、ある企業のサイト更新のミーティングをしていた時、先方から受けた質問だ。

    コトラーのマーケティング・コンセプトまぁ、ぶっちゃけ、もし院長先生から「インプラントの価格っていくらぐらいが妥当だと思う?」みたいな問いがあったらどうするよ風な問い。前提の質問そのものがドクターに笑止千万と哄笑されそうなのはご愛敬。

    かつてのわたくしなら、「そうですね、だいたい平均○○円というデータですから…..」からペラをまわして最後に結論をノーガク。しかも平均○○円に可もなく不可もなく落ち着く実に香ばしいトークで、ナニを言いたいのかサッパリわからん、典型的すっとこどっこいのアンサーとなる。あっ、すっととこどっこいなのは今も変わらん:’-)

    だが、今なら答えは違う。迷惑で無責任な自分だよって心中問答しながら一言、「院長先生がお決めになった金額でいいんじゃないですか」

    オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)は、価格と価値が大きく異なることを、次のような言葉で表現している。「ものごとの上辺しか見ない人間は、あらゆる物の価格は知っているが、何物の価値も知らない」。あるビジネスパーソンは、自分がめざしているのは、正当な価格以上の価格をつけることだ、と私に語ったことがある。『コトラーのマーケティング・コンセプト』 “価格” P.176

    自分が独立して何よりも悩み、髪の毛を波平さんに一歩また一歩近づかせ、今もその恐怖に怯えながら悩み続けている(どっちに悩んでいるんだ?)のが、「自らを値決めする」だ。正直、これほど悩む自分は根本的な能力が欠けているのだとなかば自嘲気味。

    会社勤めのときは、「会社が用意した価格や基準となる価格」があった。また、「確認を依頼できる他者(=判断をゆだねる上司)」がいた。正直、情けない話を晒すと、自ら価格を決定しなければいけないと身体は感じつつも、頭がフリーズしていた。

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  • ウェブサイトを通じて想像する

    自分の無知についての知識の続き。

    先日、ある会社のミーティングに出席しました。サイト開設後、はじめて開催された会議で、内容はサイト更新の打ち合わせです。出席者は各部門の責任者でわたくしをいれて計6人。

    そして、打ち合わせが進行するにつれ、奇妙な感覚につかまりました。それは、

    「サイト運営の当事者(各部門の責任者)が、当事者でないような」

    感覚です。

    つまり、「目の前にあるサイトを他者が閲覧したときに、”何を考え”、”何に不自由さを感じ”、”何を求めている”のか」という視点が抜けて落ちているというのでしょうか。

    少し厳しめな言い方ですが、「自分が顧客であるならば」という想像力を働かせることなく、

    • 「表現や画像」などに注意が向けてられてしまっている
    • 自分が発信したい情報と読み手が受信したい情報を峻別していない

    わけです。

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  • 消費者として生活している自分を見つめる自分

    ひとつ上のアイディア。今読み始めた「ひとつ上のアイディア」が、すごく刺激的で熱っぽい。プロのクリエイターたちは、どうやってアイデアを出しつづけているのか?この問いに対して、筆者をあわせて20人のトップクリエイターたちが、技術・ノウハウ・経験・哲学・論理などにフォーカスをあわせていく。途中だけど、印象に残ったテキストに出会ったので紹介します。

    例えば、最近では水を買うということは、もう当たり前のことです。ぼくもやはり水を買います。それはごくありふれた日常の消費活動です。
    でも、普通の人は水を買ってそれを飲むだけですが、ぼくの場合は、その一連の行動をどこかで客観的に見ている自分が必ずいます。
    どうしてこんな無味無臭のものにお金を払うのだろう、大学生になるまでは水なんて買わなかったのに買うようになったのはなぜだろう、いま水を買いたいと思った動機は何だろうと、冷静に自分の行動や気持ちの動きを分析する自分です。
    これがクリエイターの視点です。生活のなかで受けたさまざまなショックについて、この視点で自分の感情回路を整理しながら考えてみる。それを重ねることで、いまの世の中を感じることができます。

    同書 P.35 さとうかしわ氏 アイデアの「視点」2より

    さとうさんは、「冷静に自分の行動や気持ちの動きを分析する自分」がクリエイターの視点だと指摘している。

    この視点は、「日常化」すべきぐらい大切なことじゃないだろうか。

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  • スキャンはキャスター、これわかります?

    何気ない会話から長期間かけて熟成されるコミュニケーションの妙を垣間見られるときもあります。

    A:「シンクセルさんが来てはるし、キャスターのことを聞いてみよ?」
    B:「それ、スキャンでしょ」
    A:「あっ、そうそうスキャンやった〜(笑)」

    一読されたかたは、何のことかさっぱりですよね。コレ、昨日お伺いした歯科医院のスタッフさんとの会話の一部です。

    要約すると、Aさんは私に「スキャン」について尋ねたかったらしいのです。ここでいうスキャンとは、おそらく「スキャナの類」ではないかと思います(詳細は不明ですが)。

    「伝わる!」説明術 ちくま新書(551)ところが、「スキャン」を「キャスター」とBさんに言ってしまったのですね。単に間違えたのではなく、「本気」でといったらいいでしょうか(笑)

    では、なぜBさんがすぐに”スキャン”だとわかったのか?

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  • 機転を支える背景は何か?

    またこんな話もある。以前聞いた話だが、中曽根康弘元首相が退任直後に外遊をした際、飛行機内で、熟睡。目が覚めたときは着陸態勢に入っていた。そのままタラップを降りようと身支度をしていたところに、一人のスチュワーデスが近づいてきた。「ネクタイが曲がっていらっしゃいます」と彼女はおもむろに手鏡を手渡したそうだ。なんと鏡に写し出されたのは、寝癖で乱れていた髪の毛だったのである。

    via: FujiSankei Business i.BLOG|石橋眞知子のよのなか万華鏡: サービスはマニュアルより機転

    テキストになると、サラっと流し読みしてしまいそうだが、少し目をとめて情景を想像しながらふくらませてみると頭の体操にちょうどいい。たとえば、

    • いつから気がついていたのだろうか?
    • なぜ、直接的な言い回しをさけたのだろうか?
    • どのように目的と伝達の手段を選択したのだろうか?

    どれも彼女から直に聞かなければ、解なんてだせない。とはいえ意外と、「むかし先輩が同じ経験をされた話を聞いて」なんて答えもアリかと。俗っぽくて乙だなぁと、妙に納得するかもしれない。

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