タグ: document

  • 45年ぶりの悲願達成

    1963年、サントリーはビール事業に参入した。それから45年、悲願達成の時が訪れた。今年1ー6月のビール類出荷量が発表され、サントリーは「万年4位」から脱出。創業者の次男佐治敬三氏は社名を「寿屋」から「サントリー」へ変更したタイミングでビール事業に参入した。参入理由は、「作ればなんぼでも売れるウイスキー全盛時代に慢心すれば会社がやがて傾く」との由。敬三氏の長男、父の事業を引き継いだ佐治信忠社長が選択した「価格戦略」。それが3位奪取の原動力となった。ビール各社が原材料価格の高騰に苦しむなか、サントリーだけが8月末まで価格を据え置く決定をくだした。最大の危機を最大の好機へ。信忠社長の判断を支えたものは何か?

    市場参入から45年、赤字体質から一度も抜け出せなかったビール事業を手放さずに継続できた背景には、サントリーが株式を上場しない非公開企業であったことも大きい。企業価値の向上を求める株主に経営の自由度を制約される上場企業ならこうもいかない。SANKEI EXPRESS 2008.07.11./fri. 『初のシェア3位奪取 低価格志向が決め手』

    信忠社長も「非公開だったから」とのコメント。いよいよ黒字転換も視野に入ってきた。3位の座を奪われたサッポロは、筆頭株主の米系投資ファンド、スティール社からの圧力を受けている。

    非公開と上場の是非にと、この象徴的な転換を俎上に載せるのは短見。私は記事を一読したところ、非公開と公開のメリット・デメリット、それ以前の「そもそも」論すらわからなかった。ただひとつ、同じ制約を受けない個人もマネできることはなにか。

    継続すること。そして考えること。両者を支えるのは情熱。

    それを勝手に掬い取った。

  • [Review]: 墜落遺体

    [Review]: 墜落遺体

    新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)

    昨日、クライマーズ・ハイのレビューを書いた。横山秀夫氏が自身の記者時代に遭遇した日本航空123便墜落事故取材の体験をまとめた作品。ただ、「墜落現場」は描かれていない。事故そのものがテーマじゃないから『墜落遺体』も扱われていない。レビューで紹介した現場雑感、佐山は左手を失った女の子を抱える自衛官を書いた。実際の現場は凄惨を極めた。著者は事故当時、高崎署刑事官在職にて身元確認の班長につく。

    (さらに…)

  • [Review]: 日本という方法

    コメンテーターが「元来、日本という国は」なんて口にしたら「チープでシンプルなナラティヴ」の鋳型かもしれないと眉に唾をぬってみる。天皇制が日本史を仕切っていた歴史はなく、武士道は徳川初期や明治前期の所産とのこと。ならば、日本が単一民族国家である説にいかが答えようと問われれば、その説は『単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜』によって論破された(らしい)。なるほど日本の歴史の年表を眺めたとき、「○○時代」で区切られているだけで、縄文時代から現代まで一本道で描かれる。世界史に散見されるような国そのものが変わったり王朝の交代などない。驚くばかり。だからといって、一貫性を主張するのは早計だ。

    (さらに…)

  • 歯科医もワーキングプア

    高学歴ワーキングプア~「フリーター生産工場」としての大学院~ (光文社新書)

    ワーキングプアが深刻なのかと眺めていたら高学歴者(非常に優秀な研究者)のワーキングプアもメディアが報じないところでささやかれ、ヨーロッパでは「千ユーロ世代」が話題にのぼっていたり。で、ついに弁護士はじまったなと思いきや歯科医も。歯科の先生方については何を今さら感が漂ってますが。

    歯科業界に限定すればもう少し酷くなるでしょう。需要と供給が不釣り合い。数十年程度先に産科医や小児科医と同じ状況になるまでつづく。ただし、産科医や小児科医ように「やってられねぇや」とつぶやき減っていくかにギモン。あと患者側の認識とシステムに開きがありすぎ。

    産科・小児科・救急医療を中心に「医療崩壊」が各地で社会問題化する中、歯科医療がより危機的な状況にあえいでいる。2000年以降の相次ぐ診療報酬のマイナス改定で医療機関の経営が全体的に悪化したばかりでなく、歯科では73項目にわたる保険点数が20年間も据え置かれていることが影響している。歯科医師や歯科技工士らに支払われる診療報酬は先進国に比べ極めて低く、歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、歯科技工士の3人に1人が200万円以下の〝ワーキングプア〟状態に置かれているという。

    歯科医に広がる ワーキングプア | 医療介護CBニュース – キャリアブレイン

    歯科医師の5人に1人が年収300万円以下、歯科技工士の3人に1人が200万円以下。たしかに零細企業や中小企業程度の給料を支払っていたら、個人開業の歯科医院は続けられない。一人開業の歯科医院なら売上の頂点は固定される。青天井じゃない。

    おまけに収入の単価を自ら設定できない、自費以外は。肝心の売上は「20年間引き上げられていない」。自費でも「ほんとうに」自己決定できる先生は少ないと思う。インプラントは「商品」じゃないのに「定価」があるわけで。

    となると、どこを削るか?

    極論すれば時間と支出。時間は診療時間。といっても1チェアー単位の診療時間。支出は給料。1チェアー単位の時間が削られる「意味」を患者は知らない。結果的に一昔前なら(今もそうかもしれないけど)、「根治」しない原因が「ある」わけで。もちろんそれだけが原因のすべてじゃない。あくまで全体の原因のひとつ(知ったかして申し訳ありません)。その原因をサイトにでも掲載すれば「耐震偽装」になるから、とささやく先生もいらっしゃる。良い悪いじゃなく、「そういう」ものといった非対称の事情。

    1チェアー単位の時間を削る一方、全体の診療時間をふやす。

    「日曜日や深夜まで診療している歯科が増えたのは、(開業時に医療機器等を導入するために負った)借金を返すために寝る時間を削って働かざるを得ない実態がある」[…]歯科医業の収支は、歯科医師数の需給バランスの悪化も影響して、全体的に悪化の一途をたどっている。

    じゃぁ、患者は?

    患者と歯科医療担当者で構成する「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の06年の調査では、歯科医療に対する患者の要望は「保険のきく範囲を広げてほしい」が 00年調査より8ポイント上回って約8割にも達している。[…]「政府の歯科医療軽視政策のもとで、患者・国民の要求に十分にこたえきれず、歯科医師をはじめ歯科医療従事者が苦悩している。先進国の中で日本は虫歯や歯周病の状況は最悪で、長期にわたり改定が据え置かれた項目をはじめ、歯科の診療報酬について適切な診療を確保するための十分な評価が行われるべき」と強調している。

    ものすごい「ギャップ」を感じる人は患者側には少ないと思う。至極当然の要求だし。

    二律背反。「保健診療の範囲を広げる」ことと「患者・国民の要求に十分にこたえる」こと。こたえようとして、「しっかり治療する」ようになれば1チェアー単位の時間は増える。でも保険点数は変わらない。だから「根っこ」の問題をスルーしてしまう。

    「歯は命 歯科医療危機突破10.28決起集会」で訴えるような報告よりもそもそも「歯は命」という意味を患者は理解できない。そういう「機会」に接していない。だから、「もっと保険診療」をと。

    再度書く。結構な勢いでギャップが広がっている。それは患者の「中」にも。

    私の歯が全部抜け落ちるころに「ああ、そんなたいへんな時もあったね」なんて総義歯で笑えるようになってほしいと思う。

    • 「歯は命」の意味
    • 歯は加齢で抜けるワケじゃない意味
    • 何度も何度も同じに冠をつける理由
    • 治療に低額の保険が支払われ治療の前に保険が支払われない制度
    • 根治に手のかかる治療が安い制度
    • 「歯」を見て「口」を見ず、ましてや「人」を知らない医療

    私の望みは歯がすべてなくなっても通える歯科医院。

  • 保護中: 歯科医に広がる”ワーキングプア”

    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

  • 保護中: 【溶けゆく日本人】(1)快適の代償 待てない人々 数分間でイライラ

    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

  • 保護中: 「琵琶湖のブルーギル繁殖心痛む」 天皇陛下ごあいさつ

    このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。